fumiato

山遊びに魅せられたオトコのふみあと。

釣行記006

2014.06.13
長野県 犀川水系 前川支流 ミソギ川

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 昨日からの雨雲は、まだ谷間に雨を降らせ続けている。途中、橋の上から見た前川本谷は荒れ狂う大蛇の如くに禍々しい姿へと変わり果てていたが、こちらは穏やかだった。

 剣ヶ峰の右側に位置するこの沢は、車止めから自転車で1時間程度とアクセスが良い。危険な場所もなく、快適な幕場も多いことから、渓流入門にはもってこいの渓といえる。岩魚は型、数ともに期待できるが、次回のために今日食べる分だけに留めておいて欲しい。

 まもなく梅雨入りとなる雲の隙間からはときどき真夏のような陽射しをのぞかせ、苔と広葉樹に包まれた渓がひとりでに輝く様子は、ずっと前に通り過ぎてきた学生時分の放課後の風景のように若々しく命に満ち溢れていた。

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釣行記005

2014.03.15
山梨県 笛吹川水系 伝丈沢-金石沢

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 早春の渓は雪深く、普段であれば容易い渓相であっても舐めて掛かると大怪我をすることになる。餌や仕掛けは瞬時に凍り付き、釣れた魚も陸に上げればたちまち凍りついてしまう。それでも雪と氷に覆われた渓の美しさには一見の価値がある。

 岩魚、雨子のどちらにも出逢えるが、普段は釣り人が多く、サイズ、数共に期待はできない。今回はさすがに他の釣り人に出逢うことはなかったが、水温が低すぎるのか、魚も殆ど口を使ってくれなかった。

 年度末の猛烈な忙しさに押し流され、釣りの事も頭に入らなくなっていた私をムリヤリ連れ出してくれた友人に感謝する。

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釣行記004

2013.09.13-14
新潟県 加治川水系 内の倉川

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 大日山塊 赤津山を源頭に持つ加治川水系の最大支流。標高は低く比較的浅い渓谷ながらも水量は豊富で、通ラズや滝などバリエーションに富んだ渓相がギュッと詰まっている。沢屋に人気があるらしい。

 花崗岩質の明るい川底に適応した薄い色の岩魚に出会える。アベレージは20㎝前後と小さめであったが、30㎝の良型が深場や滝壺に潜んでおりポテンシャルは高い。餌釣り、特に陸生昆虫(バッタ)に良好な反応を示していた。

 林道は崩壊しており自転車の通行はできないが、七滝沢出合手前の幕場までは歩いても1時間程度とお手軽であり問題ない。ただし、標高が低い河川特有の害虫には注意。林内は凄まじい数のヤブ蚊が入渓者を待ち構えている。蚊取り線香・虫除けスプレーを忘れないこと。また、寄生虫が潜んでいることがあり、魚の生食は控えた方が良い。

 2013年の納竿ということもあり、追いかけるように必死で愉しみ尽くした。初秋とは思えない程の陽射しにも、夏のあの刺すような激しさは薄れ、柔らかだった。

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釣行記003

2013.08.15
新潟県 加治川水系 板山川

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 仄暗い針葉樹の森を縫う様にしてゆっくりと流れる渓を独りで遡行していると、突然背筋がゾクッとすることがあり無性に帰りたくなるが、ひとたび渓を出れば連日の猛暑が待ち構えているだけに悩ましい。

 この川は岩魚と山女魚が混生している。ただ、山女魚が優位であるようで釣れて来る岩魚は何れも小さい。仕方が無いので今回は山女魚を狙う。
 毛鉤はチビ山女魚にすぐ悪戯されてしまい、20cm以上を釣るには大きめの針で餌を使うのが効果的だった(お盆期間中なので殺生はせず、釣れた魚は全てリリースすることにした)。

 新潟のアブは群れで襲って来るから恐い。車を取り囲まれると降りる勇気が湧くまでに数十分かる。もちろん降りてからが更に大変なのですが・・・。

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釣行記002

2013/05/31-06/01
長野県 犀川水系 梓川支流

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 年に一度、この季節を狙い足繁く通うお気に入りの沢。残雪の残る萌黄色の渓では、型揃いの天然岩魚と種類豊富な山菜達が出迎えてくれる。

 入渓には多少の読図力と一般的な遡行技術、そして信頼できる仲間が必要。この年は例年より多かったと思われる残雪と昼からの気温上昇とが相まって、渓は渡渉できない程に増水してしまった。久しぶりに帰れないかと思った。

 薄暗い渓に相応しい濃い色の天然岩魚に出会える。入渓者が少ないためアベレージサイズは25~27㎝程度で尺岩魚も珍しくはない。時期によるだろうが、この時期の渓はまだ早春でありエサ釣りに軍配が上がる。

 林道を渡る沢が多く、場所によっては鉄砲水が出た痕跡を目にすることができる。しかし、まめに改修されている様子で、自転車での通行に支障はない。魅力的な沢ではあるが、その分注意を要する箇所が多く、判断ミスが重大な事故に繫がりかねない危険の多い沢でもある。

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釣行記001

2013.04.25-27
長野県 木曽川水系 伊奈川支流 ケサ沢

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 渓相はとても美しく、豊富な水量を湛え、水は澄み川底は白い。大岩が目立つが遡行に障害となる程では無い。むしろ大岩の袂にできる暗青色の澄み切った深場に興奮させられる。遡行するだけでも十分に満喫できる。但し、急な増水には十分注意した方が良い渓相と思われる。

 大和岩魚、日光岩魚、及びその交雑種に出会える。アベレージサイズは20cm程度。魚影はそこそこで十分楽しむことはできるが、上流に進むにつれ当たりが減る。エサ、毛鉤共に有効。

 林道の状態は良く、自転車でも終点(南駒ヶ岳登山口)まで通行可能。但し、上り坂が延々と続く為、電動で無い限り往路は押して歩くことになる。

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